「リーンの翼」 第3話「地上人のオーラ力」感想文 ガラマニ作

第3話だ!06/5/19(金)

池田繁美たん作インテリ〜ア、萌えぇえええッ!(すみません、いきなり…)

第3話は、登場人物の交流シーンと、戦闘シーンとのバランスがよくて、楽しい内容でした。今までのストーリーをまとめてくれて、今後の展開へも期待が高まりました。全般的に、休息日、ほのぼのデーな回で、俺、こういう生活臭のするお話しが好きなんだよねえ。

前半部では、アマルガンの陣屋で世話になっているリュクスと、サコミズ王の居城で世話になっているエイサップが、それぞれの置かれた立場と、自分は何をしたいのかという意志を、自覚していく過程が、日常風景の中に、描かれました。そこで炸裂したのが、美術監督・池田繁美氏の、美的センスです。

冒頭、リュクスが目覚めた、木製のベッドに、まず萌え。背もたれ部分と足元の木彫は、素朴にして、さりげなくおしゃれ。ふむ、このお部屋は、カントリー調で統一されているな。黄色いパンツのエレボスが、枕もとにやってきて、朝食のパンを2個、手渡し、リュクスがお礼を言う場面では、両者が仲良しになれそうな予感を、におわせていました。なぜって、エレボスが持って来てくれたパンが、まんまるで、硬めで、大きさは手の平大で、それが2つあって。麦のこうばしさが、絵から匂いたちます。丁度よく、美味しそうなんですよ。エレボスが、「お姫様は、今、こういうものを食べたくなるだろう」と考えてくれたんだなって、分かるんです。ベッドに腰掛けるリュクスの「ありがとう。」と言った気持ちが、実感として伝わってきました。リュクス役の嶋村侑さんの演技力は、回を追うごとに上達するばかりですし、このシーンは、じんときました。

そして、屋外を歩き出したリュクスの、背景にきらめくのは、薄紫色に霞立つ渓谷の、澄みわたった空気。さらさら流れる渓流の水しぶきと、針葉樹林の落とす、深い緑の影。なんと美しい風景、これが、バイストン・ウェルの天然か!この背景画を描いた画家は、並の腕ではない。炊き出しの椀に盛られた、白いシチューがまた、美味しそう。水彩画とセル画の合成も、いい塩梅です。

俺自身が、バイストン・ウェルを舞台にした小説を書いていて、最も重視するのが、室内に置いてあるものや、窓から見える風景が、どういうものであるかという情景描写です。オーラバトラーなどの機械にも、家具や食品と同様の、「生活用品」としての質感がなければ、バイストン・ウェル世界の設定が、生かされません。登場人物が、異世界と、どのように接し、どのように感じているのかを表現するためには、手で触れられる「物品」を、ありありと描き出すことが必須です。

ファンタジー(空想物語)を描くさいに、最も重要なものは、リアリティー(現実味)なのです。

バイストン・ウェル物語を、俺が好きなのは、機械化される文明と、その中であがく人間とが、異質なもの同士として相克し、かつ共存していくというテーマを貫いているからです。このテーマを、絵の上で完遂させるためには、凄腕の風景画家であり、優れたエクステリア・インテリアデザイナーである美術監督の才能が、不可欠なのであります。富野監督は、この任に、「聖戦士ダンバイン」から引き続き、池田繁美氏を信頼し配しておられる。さすが!池田繁美氏の、フツーではない、こだわりインテリ〜アは、今作「リーンの翼」でも、バクハツしておりますぞ!

参考:「聖戦士ダンバイン」番組・スタッフ解説

サコミズ王の膝元に集結した、エイサップ、朗利、金本のトリオ。離ればなれになってた彼らが一緒になれて、俺も一安心。サコミズ王は、神奈川県出身の、元・特攻隊員だと聞いて喜ぶ、朗利の反米思想が、痛快です。体制を攻撃したくてたまらない朗利が、同士・サコミズ王と出会えて、嬉しくて舞い上がる気持ちに、俺、シンパシー急上昇さ。そんな俺の、浮っついた考え方を、後半部で、アマルガンの口から、ずっぱり否定されてしまうんだから、すげえよな。

しかし、朗利よ。上着を脱ぎヌギして、タンクトップからむきだしの肩を見せる仕草が…無駄にエロい。なんだそのポーズは。サービスか。また、朗利の喋り方「ちょろいもんよ!」等は、伝統的な富野節を、忠実に受け継いでいるなあと感心すると同時に、富野節も「伝統」になってきよったかと、感嘆しちゃいましたねえ。

そして、若者3人と、自衛隊の人が招き入れられた、サコミズ王の応接間。蓄音機が鳴り響き、ビロードの緞帳(どんちょう)が上がり、太平洋戦争時に使用された特攻機の、レプリカが現れます。それを見て、おおうと、どよめく皆さん。そんなシーンで、ただひたすら、壁紙やカーテンにみとれている俺がここにいる。男どもがよー、ヒコーキに夢中になってる間、俺の目線は、池田インテリアに釘付けなのさあ。

サコミズさんのお城の、調度品の美しいことといったら!壁紙は、鶯色や茜色やに、幾何学パターンを織り込んだ紋様で、刺繍糸の艶が、連綿と続くさまの、なんと美麗なこと。床や柱には、マホガニーとおぼしき木(もく)を多用し、壁面は、白塗りだったり、布地貼りだったりで、変化に富みます。エイサップの寝室のドアの上部にしつらえられた飾りは、アールデコ。ドア手前のテーブルに置かれた、白百合をいけた花瓶は和物。大正から昭和初期までの、日本の裕福な家屋に見られた、典型的なデザインですよ奥さん。そして、この城の絢爛豪華さ、骨董的古さが、前出のアマルガンの陣屋の、荒削りなインテリアと対比され、エイサップが吸っている空気、雰囲気と、リュクスのそれとのちがいを、描き出しているというわけです。

と、俺が池田インテリアに興奮しているうちに、自衛隊の人が、地上と無線をつなげるという荒業をやってくれてました。地上では、米軍のでぶが、オーラバトルシップのレンザンと交渉中です。岩国に出現したバイストン・ウェルの艦船は、日米間に対立を生じさせたようで、米軍のでぶは、東京を牽制するため、レンザンをそそのかして、味方にしようっていう魂胆なのかな。こうした地上での展開を知り、勇んだ朗利が言います。

朗「ということはさあ、オレたち、そういう動きの第三勢力になれません?」

すると、第1話以来、筆者がひとつも注目していなかった、臙脂色の長袖の、ヘンな服着てるやつ、髪型の構造がいまひとつわからんやつ、朗利の付録、朗利のお荷物、でも、ひたすらメカに走ってたやつが一人、ついて来てたよねえ?だったやつが、こう言いました。

金「それだけじゃない!オーラ・バトラーの技術って、ITまみれになってる連中の、カルチャーショックになると思うんです!」

・・・・・・・・・・・

…いま、誰か、なんかゆった?なんか、ものすごい感動的なセリフが聞こえたような気がしたけど、そら耳、だったかしら。もっかい、今のシーン見よう。

金「それだけじゃない!オーラ・バトラーの技術って、ITまみれになってる連中の、カルチャーショックになると思うんです!」

・・・・・・・・・・・

…えーと。キミは、誰くんやったかいな。ああそう、金本くんか。うん、あのね、きみ。

かなもとくん、きょうから君を、心の友と呼んでいいかね?

アイティーまみれになってるれんちゅう、ですって!やつらに、オーラ・バトラーのすごさを見せてやりたいですって!それは思う、俺も、そう思うぞ!…金本くんの言う意味と、視聴者である俺が思う意味とでは、相違があるのはもちろんですが、でも、このセリフには、溜飲が下がったぜ…感動した…

俺は、ダンバインや、バイストン・ウェルを知らないでいるみんなに、新作リーンを見て驚け!と思っていましたから、金本くんの言葉が、そんな俺の気持ちを、代弁してくれたように感じたんですよ!おお、心の友よ。

「リーンの翼」が、今の時代、バイストン・ウェルを描くことで、なにを訴えたいのか、最終話まで見ないと判明しませんが、ここにいたって、ストーリーが、非常に分かりやすくなりました。日米混血の主人公、エイサップ鈴木と、反米活動家の郎利と、技術論の見地から、オーラ・バトラー戦線に加わった金本。この3バカの個性が際立ってきたおかげで、作品テーマが、見えやすくなってきたように感じます。

後半部で、戦闘服を着込み、オーラ・バトラーのパイロットとなって出撃した3バカ。ワクワクしましたねえ!彼らを見る、俺にはもう、「聖戦士ダンバイン」と比較する目はなくなっていたし、ラストで、リュクスとめぐり逢い、恥ずかしげもなく告白するエイサップにも、素直に感情移入できました。3話までかかって、ようやく「つかみ」を得たとも言えますが、ね。このペースで、第6話までしかない尺が、惜しいと思うようになりましたわ。テレビシリーズ一年分あれば、鈴木家の夫婦、サコミズ王とアマルガン、リュクスと継母、ワーラーカーレーンとコモン界などの関係や、3バカの出自などを、もっと魅力的に描き出せたでしょうに。

まま、とにかく、第3話は、堪能しました。オーラ・バトラー生き物設定が、無かったことのようにされていたせいもあって、戦闘シーンは安心して見ることができましたよ。リーンのオーラ・バトラーは、羽のブンブン音と、動作の撮影技法が独特ですね。この、ぬらぬらしたメカの動かし方は、なめらかすぎて、好きではありませんが、メカデザインには、慣れてきたかな。

次回も、池田インテリアと、3バカ出撃が見たい!楽しみです。

06/5/19(金)配信日・06/5/24(水)更新

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