NHK大河ドラマ「功名が辻」感想文(2) ガラマニ作
06/3/19 第11話から、06/5/21 第20話まで

06/3/19 第11話 うぬと百年論じおうても、ゆめゆめ埒があかぬわ!

信長が、比叡山を攻撃すると下知し、それに反意を示す明智光秀。この2人のやり取りの、見事なこと!信長と光秀の議論は、軍事論であり、政治論であり、宗教論であり、文化論であり。凄まじい思想の闘いでした。光秀の反論に対して、すぐには怒らない信長の描写がすごい。ずぅっと、わりと静かな言い方で、

「光秀くん、それはちがう。こうこうこうで、比叡山は攻めるべきです。」

みたいに言ってる信長の、目つきや、声音の変化を見ていて、あー、信長は、わざと、怒りをためているな、と思いました。

怒りを「こらえている」ではなく、わざと「ためている」です。自分のムカつきを、後で一気に、光秀へとぶつけるため、合法的に(?)ブン殴るため、怒りパワーを貯蓄してたな、信長は。いつ頃から、わざと貯蓄していたかというと、

光秀に、出会った頃からかな。

今日の放送中のエピソードで思い出すと、対浅井・朝倉戦の、和睦の仲介のため、光秀を、足利義昭への使いに出すシーン。雪の降る中、

「光秀めが、先々、こっぴどいめにあわせてやるからな。」

という、たくらみを抱いていることを、舘ひろし氏の表情が語っていました。

そして比叡山ネタで、一気に怒りをぶつける信長。言われた光秀と、秀吉ら群臣はビックリしますが、信長は、これ、計画通りなわけです。怒鳴って、ビビらせる。光秀はそこで黙らず、なお言い方を変えて反論する。宗教論だった議論に、

「お館様の評判が悪くなるから心配してるんですよ。」

などと、しおらしいこと言い出す。光秀がこう出ることも、信長は想定の範囲内ですよ。待ってたんです。信長は。やつを合法的に(?)ブン殴れる、この時を!

まず、手元にある硬いものを相手の顔にぶつける。不意打ちです。驚かせて、すかさずケリをかます。よろけた相手の首根っこをつかみガシガシ殴打、のち階段下へ投げ落とす。一連の動作、オール計画的です。信長、あんたこれ、脳内シュミレーション何度もしてたね〜。

彼の心理として、偶発的に光秀にキレたのではなく、この爆発は「計画的」だと、俺は見ました。まず、「光秀気に入らないコロス」感情が先にある。信長は、憎悪を、わざとためるんです。光秀が下知に従い、比叡山攻めが終わると、今度は光秀だけを特進させる。「飴と鞭」政策と思わせておいて、またひとつ、信長は、自分の中に大きな憎悪をためた。わざとね。そういうふうに読み取れる演出だったと思います。

こんな仕打ちをされた、明智光秀が、なにを思うかも、信長は、ちゃんと想定しつつ…織田信長の、心理描写の緻密さに、感慨を深くした回でした。

06/3/26 第12話 六平太VS一豊

今日の放送で、いちばん燃えたのは、六平太VS一豊、初対決シーンでした。いや〜、かっこよかったですねえ。2人とも白兵戦、強いのお。六平太は無意味にバック転するし、一豊は、戦闘中にもかかわらず、ウワゴトのように「千代がー千代がー」言うし、そもそも、六平太はなにがしたいのか、わけわからんし、そもそもこいつら、戦闘しながらしゃべりすぎ、剣を交えながら、どっちの味方に付くの付かないのと議論する様は、まるで富野由悠季監督作品のような、聖戦士ダンバインのようなノリでした。

六「一豊!おまえはその功名でなにを手に入れた!」

一「千代と高知県だ!さすれば勝つ!」

みたいな。あ、ハイ、こんばんは、だんぜん、六平太萌えのガラマニです。彼は、千代の幼馴染みで、彼女に惚れちゃってます。んで、六平太の部下である、女忍者小りんは、六平太の恋敵である一豊とCまで(死語)イッており、小りんは、以前、一豊のことを

小「床上手じゃなかった」

と酷評してましたが、そんなノンテクニシャンな一豊に、本気になってしまったというのが、今回のお話しでした。…考えたんですが。小りんが、「床上手じゃなかった」発言をしたとき、六平太は、即座に

六「比べるな!」

と一喝してましたよね。俺、このシーン見た瞬間、「あ、小りんは六平太と寝てるんだな」って思いました。男の忍者が、部下のくのいちを仕込む場合、自分の女にして、言う事聞かせるのは常套手段ですし(忍者じゃなくてもそうですが)、六平太は、恋する千代の旦那に、自分の女をあてがうことで、一種の優越感を得たんじゃないかな、なーんて、妄想たくましくして、見ております。

06/4/2 第13話 信長がまた光秀を

こんばんは、信長の自己破壊的行動に、釘付けのガラマニです。本日の「功名が辻」、みどころはたくさんありましたが、俺が注目したのは、やはりこれ。浅井攻略後に、信長が、酒宴の肴じゃーと言って出した、敵さん3名のしゃれこうべです。金箔でベカベカにしてあって、頭蓋骨をくりぬいて作った、さかずきがセットされているときた。

ドクロ状態にされてしまっている浅井さんは、酒宴の席にいる、お市さんの元旦那であり、ドクロの中には、明智光秀の元主君もおられます。「うぐ」と息をのむ群臣。信長は、さあ、このさかずきで酒を飲め、祝い、笑え!と命じます。真っ先に、歓声をあげ、酒を飲み干す秀吉。続けて、いやいやながらも、さかずきに口を付け出した、その他の皆さん。しかし、律儀で上品な光秀は、うるうるしちゃって、信長の言う通りには出来ないでいます。

はい、信長、例によって計画通りです。わざと、光秀がいやがることをしましたね。光秀が反抗すれば、信長はまた、合法的に(?)光秀をいたぶることが出来るってわけです。

信長は、光秀をいけにえにして、自分で自分を苦しめているように見えます。舘ひろし氏演ずる信長の、なんとも倒錯的なこと!俺は長年、大河ドラマで、信長と光秀の関係を見てきました。今までは、本能寺に至るまでの、光秀側の心理描写に目がいくことが多かったのですが、「功名が辻」は、信長の、自己破壊的な心理描写がすごくて、注視させられます。

特定の人を、わざといじめる。反抗させて、殴りつける。信長は、どうしてそんなことをするのか?なんで光秀がターゲットなのか?それは、光秀が、信長が持たないものを多く持っているからではないでしょうか。嫉妬、という表現をしてしまっては無粋なような、なにかを感じます。信長が、光秀に求めたもの、「光秀を痛めつける=自分を痛めつける」この行動の、真意はなにか。本能寺の変に際して、信長はどう思うのか。

その時、俺は、どんな感想を持つのか?今から、楽しみであり、信長・光秀、両者の果てることを、切なく思います。自己破壊的行動の先には、破滅しかないから…

06/4/9 第14話 バスルームいいなの巻

織田家臣団の、下っ端の中で、いっとう先に出世した山内一豊。今回、そんな山内ファミリーの新居が登場しました。テレビ画面いっぱいに広がる豪邸。前回まで住んでいた狭い家に比べたら、格段の差です。

大きな門構えをくぐると、広々としたお庭が。室内は、お座敷がいくつも続き、使いやすそうなキッチンに、いろりもでっかいダイニング、中庭に面した、日当たりのよい客間もあるときたもんだ。「こんなおうちに住みたいわねえ。いいわねえ、旦那が出世して稼ぎがいいと、こんな暮らしが出来るんだわ。」と、見ている女たちは思わされます。そこへ、視聴者が、いま考えていたのと同じことを言いに来た、奥さん軍団が登場します。

山内一豊の同僚、中村一氏@田村淳さんと、堀尾吉晴@生瀬勝久さんの奥さん2人は、千代にお風呂を貸してもらって、

「こんなバスルームが自宅にあったらいいわねえ!」

「うちなんかユニットバスしかないもの。バスタブが大きいと、こんなにくつろげるものなのね。ああ、疲れがとれていい気持ち〜」

と、口々に言います。もう、このへん、脚本が、実に上手い。視聴者が千代の新居を見て思うこと、そして、我々現代女性が、日々思っていることを、キャラに代弁させているのですから。

一方、男たちは、「出世頭」である山内一豊をやっかみます。いちばん怒っているのは、田村淳さんで、このたびの彼の存在感には、目を見張るものがありました。イライラして部下を怒鳴りつけるシーンも、一豊にわざと慇懃に挨拶するシーンも、「ロンブー田村淳」らしいキャラが、ドラマにマッチしていて、まことに素晴らしい。…このキャスティングは、ちょっと感動的だぞ…

山内家のバスルームがいかにいいものか。ゆったりバスタブに給湯システム完備を、視聴者に、細密に見せておき、対照的に、中村家・堀尾家の、浅いタライしかない状態の情けなさを際立たせるとは。わかりやすくて、おもしろい。当時のお風呂事情について、現代人が共感しながら、勉強も出来るとは。こんな大河ドラマをこそ、待っていたんだ、俺は。

次回、オットコマエ六平太再登場!戦雲が千代を呼ぶ。

06/4/16 第15話 六平太神演技

ろ…ろく…六平太… かっこいぃッ!胸がすくかっこよさとは、このこと。六平太を演ずるのは香川照之さん。大河では、「利家とまつ」での秀吉役が秀逸でした。いいや、香川さんは何の役をやっても秀逸。積み上げられた学と、培った才。そしてたゆまぬ努力によって生み出される、彼の演技は、他の人とは、一味も二味も違います。

六平太の動きを注視していると、場に合わせて効果的に使われる「手先の演技」が巧みで、驚かされます。

舞台劇でもドラマでも、役者さんが苦心するのが「手先の置き場」なのだそうです。ほら、学芸会などの素人演劇を思い浮かべて下さい。トーシローは、舞台で棒立ちで、両手は太もものわきに、ダランと垂れ下がっているだけです。プロの役者さんでも、この「手先の置き場」によって馬脚が現れるのを避けたいがため、刀や扇などの小道具を持ってみたりします。ですが、ものを持ったとしても、上手に扱えないとダメなわけです。

その点、六平太は、今日の放送で言うと、武田鉄矢と前田吟の息子のバックで、黙って立っているシーンが、すごい。「黙って立っている」ぐらい、難しい演技はない。六平太は、武田先生が演説こいてる間じゅう、火縄銃の導火線みたいなやつを、くるくる回す手の動きで、感情を表現していました。

六「(話し、長げぇーんだよ鉄矢!)」右手の導火線、回転早まったり遅くなったりしてる

千代と一豊のベッドルームに現れたシーンでは、手だけではなく、足の動きも加えて、迫力あるアクションを見せてくれました。セリフの合間に、六平太は、格子を「カン!」と蹴り、両手で手招きして、只者ではない曲者ぶりが際立っておりました。

そして、六平太と小りんが密談するシーンは、いつも2人してなんか食べているのがナイス。忍びの者同士、お互い腹に一物持ちながら、ひたすらもぐもぐ食う。今回は、干し芋を。ああ、なんておもしろい、なんてオットコマエなんだろう六平太は。

次回、長篠の合戦!戦雲が千代を呼ぶ。

06/4/23 第16話 小りんの不憫

相変わらずの神演技、六平太。香川照之さんの一挙手一投足に、釘付けです。歴史上の有名人ではない、忍びの者・六平太が、全キャラ中で、いっとう賢い男として描かれているのが、なんとも粋です。長篠陣中で、顔をすすで汚した六平太。汚れ方まで、オットコマエ。

そんな六平太の「女房」として、山内家にのり込んで来たくのいち、小りん。彼の「女房」だというのは、まったくの偽りではなくて、実際に2人は、一緒に寝ている仲なのでしょう。俺は、六平太と小りんの、初2ショットシーンから、「ああ、寝てるんだな」って思ってました。

小りんは、最初は業務上で一豊と寝たのだけれど、抱かれて、彼に惚れてしまいました。よくあることです。千代に張り合って「わたしが彼の子を、産んじゃうわよ」って、頑張ってみたものの、一豊に相手にしてもらえませんでした。そして恋敵である千代が懐妊してしまい、敗北感にさいなまれるという結果に。

その上、です。忍者仲間である六平太も、千代にぞっこんです。小りんが、実際に肌を合わせた男の2人とも、心ここにあらず、千代を愛しているわけです…なんて悲しい。小りんの心中で、めらめらと燃え上がる嫉妬。「なんでもないさ」と虚勢をはる態度に、彼女の抱える寂寥の大きさを感じました。

小「あばよ。」

そう言い捨てて、山内家を去った小りん。こんど彼女に会えるとき、彼女はどんな女になっているのでしょうか。小りんが、「自分は幸せだ」と感じられる日が、くるといいな。

06/4/30 第17話 いつも後ろに六平太

こんばんは、「功名が辻」見ていて、「退屈なシーンが続いてるな」と思っていても、六平太が出たとたん「キャーッ」になる自分に気がついたガラマニです。

ンー、正直に申し上げまして、今回、秀吉隊の権謀術数も、旭さんの再婚も、いまひとつ、熱中出来ませんでした。特に、旭さんの喋る尾張弁が、地元民からしてみると、不正確なのが気になりましたねえ。まー、方言は、正確にやれという方が無理なのは、分かっておりますが、菅井きん氏の尾張弁は、上手いもんで、

ほんやで、旭さんのセリフ回しは、まっと回ししとかなかんがねと思ったんやわ。(=ですので、旭さんのセリフ回しは、もう少し練習しておかないといけないだろうと思ったのですよ。)

そんな中、臨月の千代の背後に、ヌッと現れる六平太。二人が話し合うシーンは、ゾクゾクしました。千代が、小りんに焼きもちを妬いてるフシが見えたからです。こんな所で一人でいて、産気づいたらどうするんだと、心配する六平太に対して、

千「おみゃーさんは、女の体のこと、えれー詳しいんやね。」

まあ、なんでしょう、千代ったら。そんなことに噛み付いて。ほほう?あんた、幼馴染みの六平太に彼女がいたこと、実は妬いてたんだね。…フフ…分かる分かる…

六「おれは忍者やで、女に化けなかんこともあるでな。」

サラリと交わす六平太の、オトナぶり。なんてかっこいいんでしょう。そして千代は、今は行方知れずの小りんを、自由に振舞える女だと、はっきりは言いませんが、羨ましいというニュアンスで語りました。千代が感じた、もやもやした想いとは、夫・一豊と、そして六平太の「女」であった、小りんに対する嫉妬だな。そんなふうに感じて、ほくそえんだ俺です。

06/5/7 第18話 恋愛ドラマな大河ドラマ

こんばんは、大河ドラマの舞台になることの多い県に住んでます、ガラマニです。今回の「功名が辻」で目についた、俺の地元・ガラマニ県の出身者は、斉藤道三の娘・濃姫と、竹中半兵衛@棒読みでした。

びっくりついたのは、濃姫が、明智光秀と、お庭でツーショットになるシーンでした。以前から、まぁまぁ、仲がいい感じだった2人でしたが、まさかここまで発展するとは、筆者予想外です。もみじが彼の肩にかかって、濃姫がそれをとってあげて、しっとり見つめ合い…ェエーッ!この、メロドラマ展開には驚きましたねえ。

俺、地元贔屓なもんで、濃姫は、戦国時代の女性の中では、好きな方です。なので、彼女が、作中で重要な役どころになるのは、嬉しいのですが、よりによって光秀とラヴだなんて…しかも、旦那の妹、お市さんに目撃されちゃってるし。おー、こわ。信長にバレたら、どうなっちゃうんだろうかしら!

さて、もう一人、ガラマニ県が生んだスーパースター(違う意味で)、竹中半兵衛@棒読みですが。ずっとゴホゴホしとるから、病気なんだなぁと。ン、まぁ、史実は分かっていますが、次回で、棒読みオブ・ザ・キングとは、さようならみたいです。

竹中半兵衛@棒読みは、登場した頃、「新選組!」の松平容保公再来のショックを、俺に与え、腹筋がよじれるほど笑わせて下さいました。そんな半兵衛の見せ場が、だんだん少なくなってきたなぁ、来週はとうとう…寂しくなるなあ、と思ったら。

予告編で、病床の半兵衛が、ウワゴトを言いました。

「わたしが生涯、愛したおなごは、千代どのでござった。」って。

…オイオイ半兵衛、おまい何言い出すんじゃ。これにも、ものっそい、びっくりしました。いやいやいや、ホントーに、驚きました!

そうか、濃姫×光秀といい、「功名が辻」って、恋愛ドラマ的要素が強い脚本なのだなあ。そうか、棒読みは、千代のことが…そうか…ガラマニ県時代、2人で乗馬デートとかしとったもんなあ!なにい、早くそう言えばよかったのに!棒読み、片想いで辛かったんやなー!棒読みぃいいい(エコー)

俺は、自分でも恋愛小説を書いてますから、生来、恋愛ものは好きです。大好きな大河枠で、大好きな歴史劇で、大好きな地元出身キャラたちが、愛憎こもごもの恋愛ドラマを見せてくれる「功名が辻」には、俺の萌えポイントが、たくさん凝縮されているというわけです。

次回、竹中半兵衛が、散り際に、どれほどの棒読みを聞かせてくれるかにも注目だ。棒読みも、もちろん萌えポイントですからッ

06/5/14 日曜日 第19話 さよなら半兵衛

今回、いちばんビックリしたのは、筒井道隆氏に胸毛があったことです。(すみません、いきなり…)

あ、ハイ、こんばんは。前人未到の芸域に達した筒井道隆氏を賞賛し続ける、ガラマニ作・NHK大河ドラマコォナァへ、ようこそようこそ。

きょう、道隆氏演ずる、竹中半兵衛@棒読みが、病気でお亡くなりになりました。竹中半兵衛とは、美濃出身の天才軍師です。そうは見えませんが、そうは見えませんがぁー!それがヨイ。初登場より本日まで、俺たちファンを、色々な意味でトリコにしてきた棒読みは、病身をおして秀吉軍に随行。毛利攻めの陣中で、床に臥してしまいます。水色のお寝巻き姿で、甲冑着た雑兵に、両肩支えられて会議室に歩いてくる様子が、痛々しい。「立てばギクシャク 座ればバタン 歩く姿はもう死にそう」。そんな格言が、俺の頭をよぎります。

一方、登場人物中で唯一、山川出版社の「詳説日本史」が頭に入っている男・六平太は、一豊に、織田家を見限るように勧めましたが、一豊は聞き入れません。この、一豊VS六平太のやり取りも、今回のかなめ。陽光の元で生くる男子は、忍びのおまえとは違う。たとい不条理であっても、命(めい)には従わねばならヌのだと説く山内一豊は、ただのバカではなかったのねんのねん。侍の精神性を、ヒーローが自覚してゆく、いい描写でした。不器用な一豊が、器用な六平太に言ってのけることが出来たのは、彼が今まさに、そのテーマで迷っているからですね。言いながら、一豊は、自分に言いきかせているのだもの。言説とは、他者を説き伏せるのみにあらず、己が心のありかを探るための術(すべ)であるのだなあ。

その六平太が、病床の半兵衛に呼ばれてやってきました。男2人が、抱き合うシーンで、半兵衛のお寝巻きの襟元が乱れ、色白の胸がはだけて見えて…胸毛が、ある…ヒィイイィーッ!ビックリしちまいやした。いや俺はね、胸毛が嫌いなわけではないんだよ。れも、筒井ミッチーには、ないと思ってたの。だからどうしたと言われても困るが。

戦地において、竹中半兵衛どの、ご危篤。知らせをい聞いた千代は、手紙を書きます。それを、半兵衛に読んであげる一豊。うつろだった目を、なおうつろにし、空(くう)を見つめる半兵衛。

ガラマニ県垂井町が生んだ、棒読み棒立ちフワフワ歩きの家元・竹中半兵衛の脳裏に、走馬灯のように、元気だった頃の思い出が。千代と、乗馬デートした思い出が…浮かび。このへんで俺、ウルウル。そして。

臨終に際しても、我らが竹中半兵衛の棒読み芸は、一縷(いちる)とて乱れず!見よや!聞けや!前回の予告編でゆってたウワゴトが、出た!来るぞ、名セリフが。手に汗握る、テレビ前の俺。

竹「わたしがー生涯ぃー愛したおなごはー、千代どのでござった。」カク。

カク?

ん?

えっ、続きは?その先は?それは予告編で言ってたセリフよね。その次に、名セリフを言うのではないの?一豊に向かって、千代どのを頼むとかなんとか。俺、そう思って期待してたんだけど。

・・・・・・・・・・・

 終わりかぃいっ!!

全世界の竹中半兵衛@棒読みファンの皆さん。俺は、このコト切れ方に、不謹慎とは重々分かっておりますが、白状します。

腹筋よじれマックスでした。ええ。ふき出しそうになるの、こらえるのって苦しいのねえ。あぁ、みごと、見事ぢゃ。最後まで、棒読み。最後まで、こんなにも、ぶっきらぼう。最後まで、俺をこんなにまで笑わせ、魅了してくれた、竹中半兵衛@棒読み、ありがとぅうっ!あなたの棒読みは「げいじゅつぢゃ。」

06/5/21 第20話 一豊大根演技炸裂

今回、秀吉は、山内一豊がいちばん苦手なことを命じました。子供を殺したから悲しいと、泣き叫ぶ演技をしろ、ですってよ。実は死んでない、かくまっているのに、その子を助けるために、「お芝居」するハメになろうとは。さあ演技しなさいと、つめよる秀吉に、蚊のなくような声で答えます。

一「芝居は…苦手にございまする。」

自分のこと、よく分かってるねぇ、一豊くん。演劇なんてあーた、いっちゃん不得意科目だもんね。で、同僚の田村淳さんや部下たちの前で、えんえんと大根演技を繰り広げてしまう一豊なんですが、このシーンがなんとも傑作。

上川隆也さんは、演技達者ですから、「わざと下手な芝居」をしている「芝居」をしているわけです。わざと下手くそにやる。これ、相当、難しいことだと思われます。例えば、歌が上手な方、絵が上手な方、ブログ書くのが上手な方。わざと下手くそにやろうとして、スンナリ出来るもんでしょうか。難しいですよ。本来、得意なことを、下手くそに見せることは!

その点、上川隆也さんは、「大根役者の役」を、上手に演じてらっしゃったから、NHKアニメ「ニルスの不思議な旅」に登場する、音痴なのに歌が大好きなメスの雁で、毎回「♪誰も〜ほめて〜くれない〜けれどぉおおおお」と、下手くそな歌をうたうキャラ、スイリーの役を見事に演じきった、本当は歌が上手な名女優・松金よね子さんを彷彿とさせられました。(長い。)

今日のお話しには、他にもたくさんみどころがあって、終始ドキドキ。女性キャラではいちばん好きな、小りんが…ああ、あの不憫な小りんが…飢え、汚れ、盲目となり再登場しました。俺、小りんを演じる長澤まさみさんを、「功名が辻」で初めて知りましたが、このたびの汚れ役を見て、力のある役者さんだなと、感心しました。落ち窪んだまぶた、光りを失った黒目、振り乱す髪。好きだった男・一豊に、媚びず、甘えず、なりふり構わず。ぼろきれのような体と成り果ててもなお、

おまえの世話には、ならない!!

毅然と去る、小りん。あんた…本物の、女だね。こういう人をさ、本当にきれいな人だっていうんだよ。

06/5/28(日) 「功名が辻」第21〜30話感想文へ

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