月下の花

第53章 砦のなぞ


レッド・バーの砦、総攻撃の、朝。騎士団長バーン・バニングスへの処分通知が、届いた。ラース・ワウにいるドレイクからの指示は、こうだった。バーンは、ビランビーのパイロットとして、最前線に出よ。砦を落とすまで、帰還するな。そして指揮面からは、はずされ、代わりに、城攻めの総大将は、ミズル・ズロムが勤めることが決定した。夜襲をかけられた分、少々予定は狂ったものの、戦力は、落ちてはいない。午前のうちに、全兵士は、交代で仮眠をとるよう、ミズルは命じた。城攻めは、午後一(ごごいち)からである。

ゼット・ライトは、自分の仕事場に、ガラリアとの逢瀬のための、特別な場所を、確保していた。2人の仲は、誰にも知られてはならない。そこで、機械の館のあるじが考えた場所とは、廃品にする予定の、飛行艇ドロの中だった。戦の初日に、攻撃をうけ、損傷したドロは、格納庫の隅に、置かれていた。使える精密部品は、すでに取り除いてある。残っているのは、古くなった座席シートだけだ。だから、このドロの内部を、のぞこうとする暇人など、いないのだ。

「あふ、もっと、もっと、そこ…。おねがいゼット、やめないで。」 

ベンチシートに、あおむけで横たわる、軍装のガラリアは、快感のあまり、夢でも見ているような、ほうけた顔をかくさず、ゼット・ライトの下にしかれて、あえぎ続けている。おおいかぶさる男は、いつぞや、彼女の足もとで、土下座をしていた男とは、同一人物に見えないほど、自信に満ち、大人の余裕にあふれていた。

「ガラリアさん、いけませんよ。あなたは、仮眠をとらないといけません。さ、もう、愛撫は、おしまいです。」

軍服と甲冑を、脱がせるわけにはいけないので、ゼット・ライトは、オレンジ色の、上衣セーターをめくり、ガラリアの、ぬけるように白い腹部を、ちらりと露出させ、そこへ、さかんに接吻していた。それだけでガラリアは、ひいひい、あえぎ、色欲に狂った。彼女の豊満な乳房は、かたい甲冑におおわれているので、ゼット・ライトは、アンダーバストの位置より上へは、セーターをめくりあげることができなかった。

そして、ガラリアのいちばん敏感で、いちばん恥ずかしい部分は、下腹部に存在する。ベルトからは、股下に、貝殻のような形の、裾金物(すそかなもの)が、ぶら下がっている。それをめくれば股間だが、男の手が近づくと、さわらないで、じらすのだ。そして片方の手で、彼女のくちに指を挿入して、チュクチュクしゃぶらせ、遊んでいる。遊ばれているガラリアは、哀願した。

「いやっ、ゼット・ライト。ガラリアさん、だなんて。そんな他人行儀な呼びかたは、だめだ。私はあなたの…だよ?もっと、あなたが、感じるように…呼んで。」

男のほうも、おれは興奮しているという顔をかくさない。ゼットは、鼻で息をし、まず濃厚なキスをした。何十回目のキスか、もうわからない。唾液が糸をひき、男のくちもとまで、長く尾をひいている。

「そうだな。おれが、いつも空想のなかで、あなたを呼んでいたときの、呼びかたは、どうかな。気に入るといいが。」

青い髪の女戦士は、鎧武者姿(よろいむしゃすがた)のまま、胸板のどっしり厚い彼に、べっとり抱きつき、ぎらぎらした男の目を、うっとりと眺めた。

「私のことを、なんと呼んでいたのだ?教えて、教えて。」

眠さも手伝って、瞳をうるませて尋ねた。ゼット・ライトは、英語で書いてきた日誌に、いつも書いてあるとおりに、彼女を、呼んだ。

「…ガラリアたん!」

言われただけで、愛液があふれた。ガラリアは、自分を、子供のように、あつかわれると、激しく欲情するのだった。

なぜなら彼女は、子供時代に、父親に甘えることが、まったくできないで、育ったからだ。幼少期に、大人の男性から、かわいがってもらった経験のない女児は、思春期以降、恋愛にめざめると、恋人男性に、理想の父親像を求める傾向が、強い。したがって、恋人男性の前で、自分自身は、子供っぽく、ふるまいたがるのである。ガラリアが好む男性が、年上ばかりであったことも、これに起因する。

ましてやガラリアは、21歳だ。肉欲の海におぼれる20代に、泳ぎだしたばかりだ。発育しきった女体を、もてあまし、7つ年上の、包容力ある男性に、甘えたくて、うずいている。その彼氏が、自分のことを、幼児性愛の対象のように呼んで、かわいがってくれるのだ。ガラリアは、興奮した。

「はうーん、ゼット!なんてすてき!私、そんなふうに呼ばれたら…。…感じてしまうのだあ…。あふん、もっと言って。」

「ガラリアたん。このままおれが、だっこしててあげるから、お眠りなさい。いいかい、ガ・ラ・リ・ア・た・ん。」

赤ちゃんあつかいである。ガラリアの乳首は、きゅうっとかたくなり、女穴はひらき、とろとろと蜜を流して、挿入の準備をし、子宮が、きゅん、と、音をたてた。

「ああん!もっと、私を、かわいがって…。もうだめっ、がまんできない…。でも、ちょっとだけ、眠いかも。」

ゼット・ライトの一物も、パンパンに腫れ上がり、もうだめな状態では、あった。しかし、夜通し戦闘してきた彼女を、寝かせてあげないと。冷静で優しい男は、彼女の頭をなぜ、

「よく眠れるよう、これがおまじない。さ、ガラリアたんは、おやすみなさい。」

そうささやいて、ふたたびゼット・ライトは、きょうはじめて愛撫した、ガラリアのおなかに、舌をうつした。なんて白い肌だ!なんてやわらかいんだ!

「ガラリアたんのおなかに、キスマークを、つけておこうね。」

ゼット・ライトは、女の性感帯を、よく知っていた。ガラリアの胴体をかたむけ、左の脇腹、くびれた部分に吸い付いた。激しい音をたてて、吸引した。ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぶ。

「はうッ!」

敏感すぎる彼女は、それで一回、いってしまい、気絶するように、眠りに落ちた。ゼット・ライトは、セーターをかぶせて、もとどおりにした。そして鎧につつまれた、ガラリアの豊満なおっぱいに顔をのせ、ヒッヒッヒと、助平な笑い声をたてていた。好きな女の胸の谷間で、勝ちどきをあげた男は、起き上がって、こんどは紳士的に、スヤスヤ眠るガラリアのひたいに軽くキスをして、その場を立ち去った。

女戦士は、つかの間の休息をえて、こんど彼氏にしてもらいたい行為が、いっぱい登場する夢を見ていた。




城攻めの刻限となった。レッド・バーの砦を、初日に攻めたときは、上空から、オーラ・マシンで砲撃しつづけるという、正攻法だった。それが通じなかったことをうけ、今日は、まったく毛色のちがう戦法をとることに決まった。

昨晩、湖の対岸まで、斥候に出たセザル・ズロムたちの報告によると、

「レッド・バーの砦は、歩いて、すぐそばまで、簡単に行けたさ。ただし不思議なことに、馬車や人が出入りするための門が、見当たらないのさ。あるのは、高い石塀だけ。ミの国の兵士は、僕たちに、気がついてるはずなんだけどさ、攻撃して来ないし、砦の内側で、息をひそめているのさ。どういうつもりだろうと思っていたらさ、一瞬の出来事だったさ。砦を囲む石塀のてっぺんから、ぬうっと、ダーナ・オシーが顔を出したかと思ったら、飛び上がったさ。最初は、西のはじっこから。つづけて、東のはじっこから、ダーナ・オシーが、出たさ。」

それが、昨夜の奇襲である。砦は、城塞としては大きくはないのだが、中の様子が、まったくつかめない。オーラ・マシンで、上空から観察しても、中央の物見塔のほかは、厚い敷石におおわれた天井しか見えず、どこになにが配置されているのか、わからないのだ。ダーナ・オシー2機が発進した場所は、砦の東西南北に、4つ配置された、オーラ・バトラー用の、出入り口だ。天井に、四角い穴があく形だ。

オーラ・バトラーが出てくる場所はわかるが、その下がどうなっているのか。人馬のための出入り口が、まったくないように見えるが、どこかに抜け道でもあるのか。ダーナ・オシー以外のオーラ・バトラーや、火器や銃器は、どこに、どの程度あるのか。ゼラーナとダンバインは、はたしてあの砦にひそんでいるのか、否か。ガラリアは、仲間にこう言った。

「しかも、おそれいったことに、最前線に立って、私に斬りつけてきた、ダーナ・オシー1号機のパイロットが、ミの国王、ピネガン・ハンム自身なのだ。あの首ひとつ取ったらば、この戦(いくさ)は、おわりよ。」

赤いドラムロに乗り込んだガラリアは、ヘルメットをかぶり、戦闘準備をととのえた。となりの、青いドラムロに乗り込もうとしていた、トッド・ギネスは、ガラリアに話しかけた。

「無謀だよな、国王が斬りこみ隊長をやるなんて。ガラリア、では、本日の城攻めだが。」

「うむ、トッド。みなで打ち合わせた通り、われわれドラムロ4機は、2手にわかれて、歩行(かち)にて、湖の東側から、西側から、砦へせまる。ゆっくりとだ。」

オーラ・バトラーのドラムロは、自動操縦にしておけば、2足歩行で進軍できる、スグレモノだ。

「なあ、ガラリア。俺といっしょに、東側を回ろうぜ。セザルとユリアは、西側で、どうだ。」

赤赤青赤、4機のドラムロは、むかって左から、ユリア、セザル、トッド、ガラリアの順でパイロットをつとめることになった。ガラリアは、どの人員配置が適切か、しばし考えていたが、セザルが、

「僕は昨夜、西からのルートで砦に行ったから、ユリアさまを、ご案内できます。東側は、湖岸が西よりは若干長いですが、地勢的な難所はありません。そちらを、ガラリアさまと、聖戦士どのに、お願いしたいさ。」

ドラムロたちは、2機ずつ、ガシャンガシャンと音をたてて歩き始めた。ゆっくりとでいいのだ。これは、なぞ深い砦に接近し、外塀を破壊するための行動で…

と、見せかけておいて、ガラリアたちは、途中でドラムロから降りる。ドラムロは、パイロット不在でも、自動操縦で、歩行を進める。敵には、ドラムロが攻撃にやってくるように思わせその実、レッド・バーの砦に斬り込むのは、白兵戦が何より得意な、ガラリアたちなのである。

「俺っちは、得意じゃないぜ。そりゃ、軍で、基本実習はうけたけど、得物(えもの)が、ちがうからナァ。あんたたちみたいに、剣が使えるわけでもなし。飛び道具は、持ってくけどな。俺には、これしかないぜ。」

言ってトッド・ギネスは、拳銃をかまえて見せた。

「ご謙遜を。トッドどのの銃さばきには、期待している。頼みます。」

もうドラムロを乗り捨てて、湖岸を歩いていた、トッドとガラリアは、早足でマシンのうしろを追っていた。

「オーラ・バトラーをおとりに使うとは、贅沢な戦法だが、キロン城までの長い道のりを考えれば、やむをえない。トッド、急ぐぞ。砦までもう少しだ。ドラムロに追いついて、敵の様子を見ねば。」

勇んだガラリア・ニャムヒーを、このとき、不測の事態が襲った。背筋に悪寒がはしり、顔色が青くなり、だらだら冷や汗をかきはじめ、歩行が困難になり、ウンともスンとも、しゃべらなくなってしまった。つまった声で、ガラリアは、

「…聖戦士どの…すまぬが、先に…行っていてくれ。私もすぐ行く…。」

そう言って、トッドから離れ、脇道にそれて、杉林のなかに入ろうとするガラリアを、トッドが、きびしく制した。

「なにをしてるんだい、ガラリアさん。俺から離れるな!そっちに用かい、なら、俺もついていく。」

非常事態におちいっているガラリアは、くぐもった声で、

「うるさい、ついてくるな!あっち行け、こっち見るな!」

さて、トッド・ギネスは、女殺しの口説き上手であるから、元来、このような場合、すぐにピンときて、彼女を怒らせるようなふるまいは、けっしてしない。どうぞ、どうぞ、行っておいでと言い、視線をそらすはずだ。

しかし、ガラリアにたいしてだけは、勝手がちがった。トッドは、初恋の相手が、自分といっしょにいるのはイヤだと言い出し、俺の知らないどこかへ、去り行こうとしている、そんなふうに、切なく感じてしまった。トッドは気色ばんで、ガラリアをとめようとして、

「きゅうに、どうしたってんだい、ガラリアさん!敵が、ひそんでいるかもしれないんだぞ。1人では行かせない。林に入るんなら、俺もいっしょだ。」

彼女の背中に、手をかけた。ガラリアは、身体の限界をむかえていたので、抵抗もせず、うつむき、うう〜っと、うなり、

「…朴念仁が…。」

寸刻をあらそう、非常事態だ。ガラリアはふりむかず、真っ赤になったが、教えてやった。

「小用だ!」

女のくちから、よくもこんな、恥ずかしいことを言わせたな。トッドのボケが!カスが!言ってる暇はもうなかった。残されたトッドが、どんな顔になってるか、見届けることなどせず、ガラリアは、しげみへと走り、周囲を見渡して、さっそく、ズボンをおろした。

はたして、そこには、敵がいた。出入り口のみあたらないレッド・バーの砦には、秘密の抜け道がいくつもあり、そのうちのひとつから、偵察に出ていた者こそ、ギブン家の聖戦士となった、ショウ・ザマであった。

ドラムロが計4機、歩いて砦に向かっているのが、物見塔から見えた。どうなっているのか、偵察してこいと命令を受け、ショウ・ザマは単身、湖畔の東側を、歩いていた。杉林のなかを進んでいたショウは、ガラリアとトッドの言いあらそう声を耳にし、しげみに身をふせた。その目の前に、オレンジ色の軍服姿の、美しいガラリア・ニャムヒーがやってきて、スルスルとズボンを下ろしたのだ。真っ白な彼女のふともも。純白のパンティーにつつまれた、もっと白い臀部。ショウの、目と鼻の先に、突き出された、ガラリアのお尻。

(うひゃーッ!!ガラリアさんが、おしっこしようとしてる!)

真性童貞のぶんざいで、ショウ・ザマは、以下に述べる光景を、すべて、目にした。

もうがまんの限界だったガラリアは、立ったままズボンを膝までおろし、しゃがみこもうとする動作と同時に、両手でパンティーを、一気にぬいだ。おしりを後方に、もっとも突きだした瞬間に、パンティーのなかみ、お尻の谷間に、割れて見えるものが、ありありとあらわれた。それは、彼女の秘部だ。ピンク色に染まった、とじぶただ。陰毛の一本とてない、うしろから開かれた、彼女のいちばん大切な穴だ。

ガラリアの恥毛は、下腹部の丘に、ほんの少し、しげっているだけで、うしろから見ると、ほぼ無毛なのだ。まさに、桃の実のような、ガラリアたんの、関東4文字を!彼氏になったばかりのゼット・ライトですら、まだ見たことのないものを!

この素晴らしいものを、おしげもなく、ショウ・ザマ (戸籍名・座間祥、18歳、私立高校中退、東京都出身、真性童貞) に見せつけて、ガラリアは、しゃがむとすぐ、流水音を聞かせた。しげみのなかでショウ・ザマは、股間を片手でおさえつけ、もう片方の手で、自分の口をおさえつけた。流水音がやむとガラリアは、上半身を、タテにふった。ふんふん、と、水を切っているのだ。こんどは、かわいい横顔が、左右にキョロキョロしたかと思うと、彼女は、やわらかそうな花弁をみつけて、もぎとり、股間にあてがい、ふきふきし、花びらをうち捨てた。

すぐ立ち上がり、パンティーとズボンをしっかりはいて、湖畔のほうへ、もどって行った。

彼女がいなくなると、ショウ・ザマが、こんどはズボンの前をひろげた。以下略。童貞のそんな描写は、したくない。気をやると、ショウは、もと来た道をもどって行った。

ドラムロには、パイロットは搭乗していない。ドレイク軍の戦士は、オーラ・バトラーから降りて、砦に向かっていると、聖戦士ショウ・ザマは、ミの国王、ピネガン・ハンムに報告をした。

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