月下の花

第31章 女たちの饗宴


ラース・ワウの姫君、リムル・ルフトの手をひき、宴会場に入室してきたバーン・バニングスは、彼女の両親、領主ドレイクと、妻ルーザの前でひざまづき、一礼した。

リムルは、いまごろ機械の館へ侵入しているにちがいない、聖戦士ショウ・ザマの動向が、宴会場にいる誰にも知られないよう、気を配り、必要なら、おしばいを続ける覚悟だった。

だが、リムルのそうした気苦労は、ほとんど無用であった。

バーン・バニングスは、いいなずけを、領主夫妻のとなりの椅子に座らせるとすぐに、さわがしい群衆のいる、庭の宴会場のほうに、気をとられた。下級兵士たちが、やけにはしゃいで、色めきたっている。

なんだろう?バーンがふりむいた瞬間、見つけた。彼の心に、それはとびこんできた。人垣の中に、一輪の、桃の花が、絢爛豪華に咲きほころんでいるのだ。

ガラリア・ニャムヒーは、桃色のロングドレスに身をつつみ、同色のハイヒールを、いささか不器用にひきずり、ゼット・ライトと、トッド・ギネスとにはさまれて、もっとたくさんの男たちに囲まれて、声をたてて、笑っていた。鈴をころがすようなソプラノが、こんなことを言っている。

「ゼット・ライト、私の服、おかしくないか?ユリアと、まる一日かけて協議した結果、これに落ち着いたのだが、着心地は、どうも、落ち着かぬのだ。」

きょとんとした顔、彼女特有の、素の疑問形だ。発声だけ聞いていたら、4歳児童がしゃべってるとしか思えない。21歳ですが。ゼット・ライトは、目のやり場に困ったふうで、口ごもって、やっとこう言った。

「すごくっ…お似合いです。」

ガラリアのロングドレスは、濃いめの桃色一色だ。青い髪色と、白雪のような肌色をひきたたせる。また、膨張色であるから、全身が大きく見える。マーメイドラインのヒップはつき出て、ひざ部分でひきしまり、すそはひらひらと花びらのようにたなびいている。細い足首がちらりとのぞく。背の高い彼女であるからこそ、似合う。

桃色の紗(しゃ)が、彼女の、夕張メロン大のおっぱいを、ノーブラのまま、首もとから乳頭、乳頭からおへそ下まで、縦のラインでおおっていた。つき出たボイン(死語)が、その布を支えるかっこうだ。襟は、首のぐるりをリボン状で結わえ、うなじから蝶結びが、ふわりと下がっている。両腕は、脇の下からすべて露出し、背中にいたっては、肩胛骨の下まで、ガラあきだった。ウエストは、同素材のリボンで、ゆるめに結んである。

彼女の、豊満なプロポーションを、裁断と生地の色によって、いかんなく強調した、着こなしだった。しかも、おっぱいの前面や、おしりの形、ふとももなどは、きちんと覆い隠してある。女の肌は、なんでも出せばイイというものではない。隠すから、はがして見たくなるのだ。男たちは、よだれを飲みこみ、視姦していた。

ガラリアが露出している肌は、ニの腕と、背中と、そして、ワキパイパイであった。ノーブラの左右から、真っ白な肌の、丸くて大きくて、ぷるっぷるのハミ乳(はみちち)が、ゆっさゆっさと、ゆれている。ガラリアは、周囲の男たちが、自分に見とれていることを、わからないほど馬鹿ではなかったが、まさか勃起させているとは、想像だにしていないという、相変わらずの鈍感ムスメであった。

耳にゆらめくのは、いつものピアスだった。亡き彼の、形見の品だ。

ガラリアは、つくつく歩いて(←ハイヒールに慣れていない)、守備隊の仲間たちに囲まれているユリアに近づき、

「ユリア、ユリア。この服、ムネが、ざりざりするのだぁ。」

「がまんなさいませ。生地が、紗ですからね。くすぐったいぐらいでしょう?」

ガラリアは、くそ真面目に、こう言った。

「うん、くすぐったい。おまめ。おまめが、ざりざりするのだぁ。」

聞いていたゼット・ライトは、ガラリアたんのビーチクのありかを、CPUの組み立てをするときよりも凝視し、先端部を、探しだした。乳首が、ツンと丸く立ち、ガラリアが歩くと、たてゆれ、よこゆれするデカパイの重力により、服地の内側で、ざりざり、こすれるらしい。

ゼットは、乳首はあそこだとわかるや、無言でサササと後退し、男子トイレに向かった。ガラリアは、あっ、どこに行くのだぁーと思ったが、トッド・ギネスには、わかっていた。やっこさん、一回抜いてこないと、もたねえらしいな。無理ねえや。トッドは、入場してきた、すべての女たちに、まんべんなく目を配っていた。

ユリア・オストークのよそおいも、麗しいものだった。小柄で細身の彼女は、大柄で豊満なガラリアとは好対照に、目のさめるような青色の、フレアースカート状のドレスを着こなしていた。すそは、ひざ丈で、朝顔が咲いたようにひろがっている。

そでは、フレンチスリーブで、素肌の腕は自在に動き、涼しげだ。襟元は広めのラウンドフォルムで、鎖骨を見せている。その首もとには、皮革製のチョーカーを飾っており、ペンダントトップには、紫色の天然石がきらりと光っている。ユリアの、黄緑色のセミロングヘアによく似合う色づかいだ。

20歳のユリアは、バストがBカップしかないのを、気にしてはいたが、自分の美点もまた、心得ていた。誰よりも細いウエストを強調せんと、青いドレスのウエストは、ユリアの髪とおなじ黄緑色のサッシュベルトを、キュッとしめ、うしろで蝶結びにしてある。くつは、青くきらめくエナメルのミュールだ。ローヒールなので、歩きやすい。

トッド・ギネスは、ユリアを値ぶみし、心中でつぶやいた。

処女だな、あの子は。下町生まれの、勝ち気な、おぼこ娘か…ユリアは、きわだった美人じゃねぇが、可憐だ。仕込み甲斐がありそうだ。なにしろ俺は、若い娘が好きだ。ガラリアみたいな、男経験のあるセクシーな女もいいが、俺がいちばんやりたいのは、十代の処女。

それも、できれば、14歳ぐらいがいいんだ…アメリカで、俺のこの趣味は、違法だからな。ここでなら、望めば手に入るだろう。聖戦士どのに献上される、聖処女。それが、俺はほしい。

トッドがさらに見渡すと、ミュージィ・ポウが、婚約者ショット・ウェポンのわきに来ていた。ボブヘアは群青色、その補色をなす、山吹色のイブニングドレスは、とうぜん絹地であり、長袖で、黒曜石を数珠つなぎにしたネックレスが、胸元を飾っている。

ミュージィ・ポウは、わたくしこそ、ラース・ワウ一の美女であるという、自負に満ちていた。ミュージィの顔立ち、教養ある物腰、27歳という年齢。どれをとっても、この城の頂点に立つのはわたくしです。ミュージィが、いま、ライバル視していたのは、年若のガラリアたちではなく、かつて、クの国一の美貌とうたわれた公女、いまは領主の妻、ルーザ・ルフト38歳であった。

わたくしだって、ショット様の妻でありさえすれば…バイストン・ウェルの女王にしてやると、このひとは、そう言って私に求婚したのだから…!

ふふん、あの女は、もはや人妻の貫禄があるねぇ。トッドは、ミュージィの上から下まで観察した。確かに美人だが、ショットの女だ。機会がありゃ、抱いてやらないこともねえが、人妻に興味はねえな。

大広間の中にも、特殊な人垣ができていて、一人の、豪奢な美女を、中年男たちが、やについて、取り囲んでいた。中心にいるのが、イザベラ・ロゼルノ夫人35歳で、彼女は、トレードマークである、黒衣を着込んでいた。黒髪は結い上げ、夜会巻きにしている。黒真珠をちりばめた漆黒のドレスの、胸元は、ぱっくり開いており、白百合の谷間に、彼女の「男たち」は、懐かしそうに、母乳を吸いたいと、しなだれかかっている。

イザベラ・ロゼルノ夫人の、現在のメイン彼氏である、セザル・ズロム18歳は、どこかに姿をくらましており、宴会場にはいなかった。ふたりの関係は、密通であったので、公式の場で、言葉を交わすことは、なくって当然であった。

騎士ロゼルノ夫人は、美しい未亡人であり、ルフト領内の有力諸侯であるから、領主ドレイクに、しとやかに挨拶をした。彼女が、黒いドレスを、ついとつまみあげ、会釈したとき、

熊本スイカ大の、巨乳の谷間が、前かがみになって、ぼよよーんと、ゆれることになるので、

あろうことか、お館様ともあろうものが、つい条件反射で、夫人の、おっぱいの谷間を、チラ見してしまったのだ。しかも二回。二度見だ。しかたないんだ。ドレイク様だって、中年男なんだ。ルーザ・ルフトは、音速で、夫の目線の先にあるものを発見した。

「お前様ッ!」 ギロッとにらむ

ドレイクは冷や汗をかき、ミズルに、目で、助けを求めたが、そんな目で見られても、それがしだって困ります。

ロゼルノ夫人にとっては、そのへんにつっ立っていた、バーン・バニングスも、「男たち」の一人にすぎなかったので、彼の前を、しずしずと、シカトして通りすぎた。

バーン・バニングスはというと、非常にわかりやすく表現すると、ガラリアのワキパイパイを見た瞬間、完勃起した。なので、すぐ男子トイレにとびこんだ。個室で抜いて、洗面所で、息をついていたら、ゼット・ライトと、かち合った。

手を洗いながらバーンは、平静をよそおったが、聡明な(しかも賢者モードの)ゼットは、騎士団長が、自分とおなじものを見、おなじ身体状態になり、おなじ行為を、トイレの個室でおこなったにちがいないと思った。

抜いてきた男2人は、ハンケチで、杜撰に手をふきふき、宴会場へ戻って行った。


<次回予告>

BGM ♪ちゃららら ちゃらららららっ

ひゃっほぅ、セザルでぇーす。なんとも、即物的な文末さ。

次回、ショウ君が、たぶんダンバインに乗って、ボンレスの森へ行っちゃうさ。
それと、ガラリア嬢にとって、すっごく大事な情報が、ありそうさ。

じゃっ、またねい。

第31章更新後書き

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